ATMでの簡単キャッシングにはまり借金を増やし続ける若者たち

「すぐ返せるなら、借金をする事に何の罪悪感も感じない」そう考える若者が増えている。以前なら、借金をする際には、例えば消費者金融なら店頭へ出向き、相談をし審査を受け、手続きをしてやっとお金を融資してもらうことが出来た。なかなか面倒なうえに、その手続きの過程ごとに「ちゃんと計画的に返済しなきゃ」という覚悟も生まれていただろう。しかし現代はそうではない。

借金をするのに何の抵抗も感じなくなった理由の一つに、その手続きの簡素化が挙げられると思う。中でも主流な方法の一つが、無人ATMの利用だ。誰にも会わずに融資を受けることが出来るので、借金の理由がどんなものであれ説明する必要もないし、「借金をする情けなさ」を感じて恥ずかしがる必要もない。

また、24時間キャッシングが可能となっていて便利なため、悪い意味で身近に感じやすくなってしまっている。本来であればそんな気軽に借金をするなんて変な話なのだが、銀行ATMのような雰囲気で利用しやすいので、そのお金の価値がなんとなく薄く感じるようになってくるのだ。

誰でも初めは、それなりの緊張感を持って借金を作る。期限までに完済して、なるべくはもう二度と借りないようにしようと心掛ける。しかし、それが二、三度繰り返されると若干の甘えが出てくる。今日までに返済しなければならないのを後回しにして、数日だけならそこまで利子がつかないからと遅延して返済しだす。この「大した金額ではない利子」というのが恐ろしく、予想以上にどんどん膨れ上がっていくのだが、痛い目にあったことのない若者はその危機感を感じることが出来ずに、放置した結果、自分が借りたお金が信じられない金額になっているのだ。

借りる際の術もろくに学んでいなかった彼らであるから、返す方法ももちろんわかるはずがなく、どうしようもないまま借金地獄に堕ちていってしまう。ATM利用のキャッシングは簡単すぎる分、とても危険だと思う。お金の重みを感じさせない。こういう便利なシステムが出来る際には、システム作成側が責任を持って、その正しい利用方法を世間に教育しなければならないと思う。そうでなければこれからどんどん、若い人が簡単に借金を作って、簡単に自己破産をするような社会になっていくかもしれない。

閉じる