借金の意外な審査基準…完済時の年齢に暗黙の制限があった

消費者金融や銀行などから借金をする際には、必ず審査を受けなければならない。その審査基準は全く同じではないものの、基本的には勤務年数が一定期間以上あることや、年収、他の金融機関からの借り入れ履歴などをみるようだ。

しかしこのほかに、意外にも審査基準として設けられているのは「年齢」である。もちろん借り入れできるのは二十歳以上と決まっているが、ここでいう年齢の審査というのは「完済時の予定年齢」のことである。おおよそ、完済年齢が65~70歳までというのが一つの目安になる。理由は死亡してしまうことを危惧しているわけではない。万が一そうなった場合には遺産や保険等の財産から、返済をしてもらうことができるだろう。問題は、病気になって寝たきりになったり、入院したり介護が必要となったときである。死亡していないので遺産もないし、返済拒否をして逃げているわけでもないのでむやみに取り立てることもできない。複雑な状況になりかねないので融資する側も貸し渋りをしてしまうのだ。

融資する側からすると、どんなに収入が高くても、多方面に借金があるような人だと貸さない場合がある。審査基準が人間性重視になっているようだ。公共料金の遅延滞納が一度もない人だと、年収が低くても信用度は高いとみなされてスムーズに融資を受けられることもある。

高齢の人が借金をする場合、自営業でなければ年金生活をしていることが多いだろう。借金をすれば単純に考えると年金から返済をすると思うのだが、そうなると高額の借り入れは期待できない。微々たる金額しか借りられないのだから、よほどの理由がない限りは借金などしない方が良いのだ。

一般的な金融会社からは多額の融資が見込めないからと言って、間違っても闇金融に手を出してはいけない。高齢者が闇金業者に威圧的に取り立てられる姿は、とても見ていられない。今の若い世代の人たちも、将来年金だけでは生活できないと嘆かないでいいように、今のうちから少しずつ貯蓄をしておくべきだと、つくづく感じさせられる。

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